慢性膵炎ノート

明るく!慢性膵炎生活

慢性膵炎と診断されたら(4/6ページ)

日常生活について(つづき)

  脂質以外の食べ物の制限としては、刺激物が挙げられます。ワサビ、唐辛子、胡椒といった香辛料は膵臓を刺激し、膵液の分泌を促します。カレーも基本的に香辛料のカタマリですからダメな場合が多いようです。(ダメとは自覚的な痛みがあるということです。)コーヒーも危険リストの上位です。中には蛋白質も受け付けない人もおられます。おいしさのお友達も膵炎の敵だったのです。
  アルコールや脂質についてはほとんどの方がダメージを受けるようですが、しかし、どの食べ物がどの程度の影響をもたらすのかというのは個人差が大きいようです。いろいろな食べ物を試してみて、自分なりの危険食リストを作ってみられてはいかがでしょうか。
  次にストレス対策ですが、実はストレスが膵臓にはとても悪いようです。膵臓の付近にはさまざまな神経が走っていて、脳が感じる緊張にすぐに反応するようです。膵炎の痛みは膵管内の圧力の上昇によるものが大きいそうですが、緊張すると圧力の上昇があるのではないか、という感じがします。(いろいろな慢性膵炎の方とコミュニケーションをとるなかで、患者さんには几帳面な方が多いという印象を持っています。ひょっとすると几帳面な性格も膵炎の遠因の一つなのかも知れません。)個人的には緊張を要する仕事が続くとか、他の人との意見の不一致を我慢しながら企画などを進めなければならないような状況では、てきめんにダメージが来ます。
  そういう場合には(本当にひどい場合には病院に行くわけですが)大抵は我慢して膵臓の痛みが通り過ぎるのを待つのですが、どうしても症状が改善しないような場合にこれまでに実施して効果があったことは、思い切って仕事をサボるというか、手を抜くということで、つまりひんしゅく覚悟でとにかくストレス要因から避難するということでした。増悪期にはよく有給をとって温泉に行きました。平日の昼間の温泉は実に快適でストレスを大いに軽減させてくれました。「仕事をさぼって温泉へ」ということをきっかけに体調が回復するということが数回ありました。
  ストレス軽減法も、ご自分にあった方法をいろいろと試されてはいかがでしょうか。
  仕事を辞め、収入の心配をしないで済むような生活が出来れば一番なのか知れませんが、それは無理なので辛いところです。

  以上のように、食生活において膵臓にストレスを与える食品を避け、生活面でも心理的緊張を避けることで膵臓へのストレスを減らすということが、慢性膵炎とつきあっていく上では極めて大切だと思います。
  (次ページは外科的治療です。)

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